涙に問題があり、角膜表面に異常をきたし自覚症状が現れる病態を「ドライアイ」といいます。目がコロコロする、チクチクする、クシャクシャする、熱くなる、目が疲れやすくなるなど様々な症状が現れ、最近ではドライアイが原因で視力低下が起こることもわかっています。瞬きが少なくなるような目の使い方(長時間のパソコン・スマートフォンの使用、ゲーム、読書、デスクワークなど)をした後や、乾燥した部屋にいる場合などに症状が現れる、または強くなるという場合には、ドライアイを疑う必要があります。ドライアイの診断は、結膜や角膜表面の状態の観察、涙液層の観察、涙液の分泌量の検査などにより行います。
通常、涙は目の表面に潤いを与え乾燥を防いだり、感染を防御したり、異物が入ったときに目の表面を洗い流すなど、様々な働きを持っています。涙は目の表面に、「油層」「水層(涙液層)」「ムチン(粘液)層」の3つの層を作っており、一番外側にあるのが油層、真ん中にあるのが水層(涙液層)、内側にあるのがムチン(粘液)層で、この3つの層の構造や成分に異常をきたすことでドライアイは引き起こされると考えられています。